3月のアイスまんじゅう
寒いのになぁと思いつつも、口にほおばる。
さっきまで青空が広がっていたのに、今や車の外ではあられが降っている。
どうにもお腹の弱い私は、内心不安に思いながらも、ほおばる。
お、おいしい。
なんだ、このギルティな食べ物は。
それが私のアイスまんじゅうとの出会いでした。
今年の3月、私は福島に行きました。
今思うと、新型コロナウイルスが日本で流行りだす、本当に直前くらいの時期。
語り部さんのツアーに参加しに行ったのだけれど、その時の話はまたおいおい書きたいなと思います。
これは、そのツアーのお昼ご飯の時のお話。
浪江町名物、なみえ焼そば(写真)を食べた後、語り部さんがデザートにおごってくれた、アイスまんじゅう。
「まんじゅう(っぽいもの)」を「アイス」にしたものが「アイスまんじゅう」。
そのまんまである。(笑)
皆さん、見てください。このフォルム。
ピノを巨大化したような?いや、きのこの山を巨大化したような?かわいらしい形を。ちなみに上から見ると、梅の花のようです。
(.....急いで撮ったら暗い雰囲気になってしまったのは、ご愛敬)
アイス部分に牛乳を50%も使ったアイスまんじゅう。
ほのかな牛乳の香りとともに、優しい甘さが口にひんやりと広がります。
私は甘いものがどちらかと言えば苦手なのですが、アイスまんじゅうの主張しすぎないあの甘さは、程よく舌に合いました。
アイスまんじゅうの「核」の部分を構成するのが、この練り餡です。
しっとりとした餡、外側のアイス。
この組み合わせに勝るものはないでしょう。
舌に触れたら溶けだす練り餡、少し遅れて溶けだす外側のアイス部分....
そして、いつの間にか私の手元には木のスティックしか残っていませんでした。
しかも、手造り。
驚くべきことに、アイスまんじゅうは一つ一つ手造りされているのです。
福島県の太平洋側に位置する、相馬地区や二葉地区を中心に親しまれているそう。
真心こめて作られているのでしょう。
60年以上も親しまれ続けたその味には、誰にもまねできない優しい甘さが込められていました。
そして「せっかく来てくれたから」とおごってくれた、語り部さんの優しさも。
いつの間にか現れた太陽が、フロントガラスについた滴に反射します。
お腹の不安もどこへやら。
3月の福島は、冷たくて、甘くて、優しかった。
補足1:「アイスまんじゅう」は松永牛乳さんの他に、丸永製菓さんも作られています。「しろくま」の会社さん。「アイスまんじゅう」で検索すると、大体丸永製菓さんが出てきます。
補足2:松永牛乳さんのアイスまんじゅうは、基本福島でしか出会えませんが、ネット通販やふるさと納税などで購入できます。便利な世界!アイスまんじゅう食べよう!